令和5年度宇宙航空科学技術推進委託費の公募について

令和5年2月24日

文部科学省では、このたび令和5年度宇宙航空科学技術推進委託費について、下記のとおり公募を開始しましたのでお知らせします。
応募にあたっては、宇宙航空科学技術推進委託費に関するFAQページもご確認ください。

1. 事業の概要

本事業は、宇宙航空利用を新たな分野で進めるにあたって端緒となる技術的課題にチャレンジする研究開発、宇宙航空開発利用の発展を支える人材育成等、宇宙航空開発利用の新たな可能性を開拓するための取組を行い、さらなる裾野拡大を目的としています。令和5年度は、以下のプログラムに沿った課題を募集します。
なお、本公募は、令和5年度予算の成立を前提とするものであり、予算の成立状況によっては事業内容や事業予算を変更する場合があります。

(1) 宇宙航空人材育成プログラム

主に科学技術に関心のある大学院生、大学生、高等専門学校生等の学生を、宇宙航空分野に係る高い専門性を有する人材や、多岐に渡る分野の知識・経験を有し、システム全体を理解し到達ビジョンを持って先端的かつ複雑化したプロジェクトを牽引できる人材として育成するための基盤を構築・強化し、次世代の宇宙航空人材育成を促進する。
令和5年度は、「専門人材育成」「アーキテクト育成」を公募する。

【専門人材育成】
衛星・ロケット・航空機等の先端研究・技術開発、国際的な宇宙ビジネス展開や宇宙活動ルールの形成、AI/IoT/ビックデータ等の最新のICTの宇宙分野への応用等が可能な、宇宙分野の高度な知識・技術や他分野の専門知識を併せ持った研究者・技術者等について、講義やセミナー、ワークショップ、海外交流、体験学習や小規模プロジェクトによるPBL (Project Based Learning) の実施、及びそれらを統合したカリキュラム構築や教材作成、指導者養成といった取組を通じて、年間十数人~数十人程度の規模で育成できる基盤の構築・強化を推進する。

【アーキテクト育成】
複雑かつ高度に統合されたシステムの実現が求められる「総合工学」としての宇宙航空分野において必要とされている、多岐に渡る知識・経験のもと決断・判断を下し、到達ビジョンを持ってプロジェクトを牽引できる「アーキテクト」としての素質を有する人材を、年間数十人程度の規模で育成できる基盤の構築・強化を推進する。
座学等を通じた本質理解に加えて、設計・開発から打上げ・運用といった実践的なプロジェクト全体を1~2年程度で経験できるような機会を、大学等の研究室レベルにとどまらず学部・学科や産学官連携部門の参画、他の研究機関や民間企業、海外機関等との連携によって創出・提供することにより、将来的に宇宙航空研究開発機構 (JAXA) や大学等の研究機関、産業界等において、プロジェクトマネージャやサブシステム担当のリーダーといった役割を担い先端的かつ複雑なプロジェクトを牽引し得る人材の育成を促進する。

(2) 宇宙航空脱炭素技術等創出プログラム

航空機の水素燃料・電動化技術や機体軽量化・効率化による温室効果ガス排出量の抜本的低減に資する技術といった、宇宙航空分野における脱炭素化に資する技術の開発・高度化や、衛星から得られたデータの利活用をはじめとした宇宙航空分野と異分野の技術シーズ・ニーズのマッチングによる、農林水産業や気候変動、環境、交通・物流等の様々な分野における脱炭素化への取組を推進することで、将来的なカーボンニュートラルの実現及び宇宙航空分野の新たな可能性開拓に向けた価値創出・提供を目指す。

(3) 宇宙探査基盤技術高度化プログラム

宇宙における探査活動において、月を目指す各国の動きが活発化している背景を踏まえ、我が国が強みとする地球低軌道の超小型衛星開発等で培われた大学等の技術を活用し、月探査に必要な超小型探査機等に係る以下のような基盤技術の開発や分野間での共有・利用を促進する。

  • 測位(航法)・通信系: 将来の超小型探査機に搭載可能な地球-月以遠の間の測位・通信を可能とするための技術開発(高周波無線通信技術、超小型通信機、高効率・軽量アンプ、超小型衛星用アンテナ、月測位インフラの構築及びそれを生かした深宇宙超小型探査機通信系システムの開発 等)
  • 推進系: 将来の超小型探査機に搭載可能な地球静止軌道から月以遠に航行するための技術開発(Kick Motor、電気・化学推進 等)
  • ミッション系: 国際競争力のある汎用ミッション機器の開発(深宇宙向け超小型探査機に搭載可能な高機能観測センサ、高解像度カメラの開発 等)
  • バス・システム系: 深宇宙探査向けの標準化システムバスの開発、衛星実装のためのインテグレーション技術、その他主要システム技術の開発(様々なミッションに対応可能な汎用標準化システムバス、月科学ミッション用の高機能標準化システムバス、電源系等サブシステムの小型軽量化技術 等)
  • その他: 上記以外の、超小型探査機等による将来の月・月以遠の探査や有人宇宙活動に貢献する基盤技術の開発(放射線耐性に関する技術、地上設備に関する技術、大型・軽量・展開性を有する宇宙構造物に関する技術 等)

2. 事業規模、実施期間及び採択数

(1) 事業規模

原則として、1件あたり、年度ごとに以下の「通常」の金額の範囲内とします。ただし、各年度における予算の状況等によっては、減額することがございますので、あらかじめご了承下さい。

  • 宇宙航空人材育成プログラム【専門人材育成】  通常 1,300万円/上限 1,560万円
  • 宇宙航空人材育成プログラム【アーキテクト育成】  通常 3,900万円/上限 5,200万円
  • 宇宙航空脱炭素技術等創出プログラム  通常 1,300万円/上限 1,560万円
  • 宇宙探査基盤技術高度化プログラム  通常 2,600万円/上限 3,250万円

課題の提案に当たっては、通常の金額の範囲内において、目的が達成できるよう業務の目標や業務計画・方法を設定してください。
その上で、より優れた成果を創出し宇宙航空分野のさらなる発展・裾野拡大に貢献できる見込みがある場合は、通常の上限金額を超えて、追加上限までの範囲内で業務の目標や業務計画・方法を設定することが可能です。通常の上限金額を超えて、追加上限までの範囲で応募する場合には、追加上限まで措置された場合に追加で実施する内容を、提案書に明記してください。(明記がない場合、追加上限は認められません。)

(2) 実施期間

原則として、令和7年度末までの3カ年としますが、1カ年、2カ年でも問題ありません。なお、宇宙航空人材育成プログラムについては、令和9年度末までの5カ年を上限とします。

(3) 採択数

各プログラムについて、1~2件程度の採択件数を予定しています。
なお、上記の採択件数はあくまでも目安であり、これにとらわれず、審査評価会における審査において、総合的な観点から採択課題を決めることとします。

3. スケジュール

公募開始から事業開始までのスケジュールはおおむね次のようになる予定です。

令和5年

 2月24日(金曜日)  公募開始(e-Radを通じて実施)
 4月25日(火曜日)17時00分   公募締切(必着)
 5月~6月  第1次審査(書面審査)
 7月上旬(※)  第2次審査(Web会議形式による面接審査)
 8月上旬~9月上旬  採択課題の公表、採択もしくは不採択の通知 
 10月上旬  委託契約、委託業務開始

(※)応募件数等を踏まえ日程を確定
なお、公募締切以降のスケジュールはあくまで予定であり、数週間程度前後する可能性がありますのでご留意ください。

詳しくは以下の公募要領を御覧ください。
様式の作成ならびに提出にあたっては、宇宙航空科学技術推進委託費に関するFAQページもご確認ください。

お問合せ先

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(研究開発局宇宙開発利用課 宇宙航空科学技術推進委託費事務局)